快適テント生活のすすめ
 キャンプをする前には、家族でキャンプについて話し合い「キャンプに行くんだ」という共通意識を持ち、お父さんが中心になってプランづくりの段階からみんなで参加するのも楽しいものです。しかし、はじめてのキャンプの場合、キャンプを体験するという目的だけで十分で、無理なプランを立てないことが大切です。テントで寝ることだけだって子供たちにとっては十分魅力あるプランなのです。なぜなら、アウトドアのねらいは、自然に溶け込んだおおらかな時間がより貴重だからです。
   あくまで、アウトドアの環境や自然の素材を活用して、まず第一にそこでなければできない活動を最優先させることです。次にそこで行なえば気分がいいとか、街でやるよりも効果があると考えられるものなどと活動の優先順位を決めることがポイントです。シーズンは、4月半ばから10月半ばぐらいまでが適当です。蒸し暑く、人出が集中する盛夏よりも春、秋のほうがゆったりと快適なキャンプを楽しむこともできます。アウトドアライフをより充実したものにし楽しむためにも、また、その効果をあげるためにも事前に十分な検討と準備をしておきましょう。キャンプの第一ステップは、家族の理解と周到な計画です。  
   キャンプのポイントは、安全で手軽に行なえ、そのうえ快適なことです。できるだけ、ささやかな労力で楽しめることが一番です。とにかく、余裕のあるスケジュールでゆったりアウトドアライフを満喫するため、最初は自宅から2時間以内で行ける近くのキャンプ場を選びましょう。シーズン中は特に混むので出かける前に早めに必ず予約を入れ、混み具合を確認すると共に、施設の内容や利用料金なども問い合わせのときに確認しておきましょう。できればテントや用品がレンタルでき、シャワーや売店など設備の整ったキャンプ場がベストです。あまり短くても忙しいだけでつまらないものになってしまいます。最初は二泊三日ぐらいが適当で、少し慣れてきたら4泊か5泊に挑戦してみて下さい。きっとアウトドアのすばらしさに気がつくでしょう。そして、自信がついてくればしめたものです。

 キャンプ場についたら、まず、管理事務所に行って受付をします。多くの場合はテントを張る場所は指定されていますが、もし選べるとしたら、次のような点に注意して選んで下さい
@キャンプサイトに十分な広さがあるところ。
Aなるべく平坦で凹凸がなく、傾斜地でないところ。
Bよく乾燥していて、水はけがよく日当たりのいいところ。
C飲用水が確保できる炊事場やトイレなどの水場に近いところ。
D林間地では風通しのよいところで、夏場なら樹木の陰で涼しい日陰が得られるところ。

 など最低限のポイントをおさえて、あとは同じような家族連れのそばといった自分のアウトドアスタイルに似た人の近くが最適です。  
  しかし、自然を親しみにきたか人を見にきたのかわからないようなキャンプ場はいやだというお父さんにテント設営のポイントを教えましょう。  
    一番大切なことはなるべく自然の多いところを選ぶことです。ここは景色がいいからと安易な気分でテントの設営をしてはいけません。見ためはよくても、気象条件の変化によって危険になることもあります。設営の位置や風の向き、地面の傾斜といったことを計算のうえ、より快適にアウトドアライフが送れる場所を探しましょう。たとえば崖下や川のそば、川の中州や河岸の波打ち際は絶対に不適です。雨が降ったらどう変化するかを考えてみて下さい。ポイントは、条件のいい場所の確保と平坦なところです。そして、一度すばらしいキャンプ場が見つかったら同じキャンプ場を大切にして下さい。同じ場所だと回を重ねるごとに、いろいろなプログラムを工夫してつくることができるようになります。それがポイントです。
    設営場所が決まったら、共同施設の位置を確認して、できるだけ作業は早めにすましておきましょう。その際は、隣へのあいさつも忘れずにして下さい。事前のあいさつで互いに気持ちよく過ごせるようになるものです。  
    いよいよ、お父さんの出番、テント設営です。スタートでつまずくと立場がなくなります。お父さん、一人ですべてしなければならないと考えず、子供を活用しましょう。いくら小さい子供でもポールやロープを持つことはできます。子供にテントの張り方を教えるようにゆっくりと考えながらやってみましょう。割合と簡単にできるものです。  
  地面を整えたらテントを組み立てます。テントサイトのレイアウトも大切です。このときに注意したいことは、テントの出入り口は風下側に向けることです。風上に向いていると出入り口から風が進入し、テントが吹き飛ばされる危険性があるからです。また、人の動きを考えてテーブルやコンロの位置を決めましょう。子供が遊びまわる方向への視線を妨げないことも忘れないようにして下さい。テントサイトのレイアウトを工夫するだけで快適さに段違いの差がでることも覚えておいて下さい。  また、テントを購入したり、借りて持って行く場合、必ず出かける前に実際に組み立ててみて下さい。一回の経験がキャンプ場での余裕を生みます。

 さぁ、テントを出し、ポールを使って手際よく組み立てましょう。最近ではセルフスタンディング式も多く労せずしてに組み立てることができるようになりましたが、ここでは従来から普及しているウォール型テントを例にあげて、テントの張り方を説明しましょう。