危険からの回避法とは |
アウトドアでは自然の中にある以上、ケガや突発的なトラブルは避けてられません。そんなとき、パニックになってもおろおろしてはいけません。いざというとき、頼りにされるのはやはりお父さんです。とっさの場合だからこそ、冷静に真価を発揮して家族を危険から守りましょう。
そのためにも、最低限のファーストエイドキットを用意し、現地についたら、地元の消防署へ問い合わせて救急病院の確認をしておけば安心できます。
Q1:雷が落ちて来た場合は
Q2:道に迷って、どの方向に進めばいいかわからなくなったときは
Q3:動植物で被害にあったときは
Q4:もし病気やケガをしたら
Q5:救急車を利用するときは
Q1:雷が落ちて来た場合は、
夏は雷がつきものですが、気温の差の激しい時や、寒冷前線が通過する時など一年中起きています。 広い草原や山の稜線では髪の毛が逆立ってきたり、ラジオに「ビシービシー」という雑音が入って来たら雷が近づいて来た証拠です。山の上にいる場合は、なるべく低いところに避難して下さい。近くにテントや車があればその中に急いで避難しましょう。高い木の下は避けて、時計やメガネなどの金属類は身からはずしましょう。また、湿ったり、濡れている場所は電流が伝わりやすいので避けて下さい。雷には、なるべく低いところ、くぼんだところへ隠れ、地面にからだをふせるようにして雷がとおり過ぎるまでじっと待つことが命を守るコツです。
Q2:道に迷って、どの方向に進めばいいかわからなくなったときは、
太陽が出ているときなら、正午近くに太陽は真南に来ます。図48のように短針と文字盤の一二時の方向が作る角度の二等分線の示す方向が南です。 曇っているときは、木やコケでおおざっぱな方向がわかります。木の枝ぶりがよい方向、切り株の年輪の間隔が広い方向がおおむね南です。あくまで目安として下さい。
Q3:動植物で被害にあったときは、
@ハチの大群におそわれた場合
パニックになり、逃げ回ることが多いのですが、ハチを刺激しないようにできるだけ、からだを動かさないのが基本です。それでも刺されたら、ハチの針を抜き、傷口から毒を吸いだし、よく冷や します。その後、アンモニア水とか、抗ヒスタミン軟膏(かゆみ止め軟膏)を塗るとよいでしょう。
Aヘビにかまれた場合
攻撃しない限りヘビは襲っては来ません。ヘビにかまれないように深い草むらに入ったり、太い 倒木をまたぐときは特に足元に気をつけましょう。もし、かみつかれてしまったら、かまれた部分 を低くし、安静にします。まず、傷口より心臓に近い部分をベルトやタオルできつく縛り、傷口よ り毒を吸いだし、流水と石けんで洗い、冷やします。そして、できるだけ早く病院で手当を受けて下さい。
B野犬に襲われた場合
傷口の血液をしぼりだし、水を出しっぱなしで石けんをつけて洗い、すぐに消毒し、保健所に相談するとか、できるだけ早く病院で手当を受けて下さい。
C虫が耳に入った場合
暗いところで、右の図のように、耳たぶをひっぱって懐中電燈をあて虫をおびきだすとか、タバコの煙を耳の中に吹きかけて虫を煙りでいぶり出して下さい。それでもでないときは、アルコールまたは食用油を耳 の中に数滴たらして虫を殺し、その後綿棒や紙こよりで油を吸い取って、そのあと病院で虫を取り出してもらって下さい。
D草木でかぶれた場合
まず、毒草のついた衣服を脱がせ、かぶれた部分をセッケンと水でよく洗い、アルコール綿でふ きます。そして、抗ヒスタミン軟膏か副腎皮質ホルモン軟膏を塗ります。かぶれの強いときやアレルギー体質の場合は早目に病院で手当を受けて下さい。
Q4:もし病気やケガをしたら
応急処置を行なう前に、疾病者の症状がどんな状態か観察を行ない、正しい処置をおこないましょう。すべての応急処置は、疾病者の状態をよく調べることからはじまります。
観察するポイントは、
@顔色を見る、A意識があるかどうか調べる、B出血がないかどうか調べる、C脈拍の有無、規則性、脈の早さを調べる、D呼吸があるかどうか調べる、E四肢の変形があるかどうか調べる等です。
ケガをしたときの応急処置はRICE(ライス)と呼ばれる方法で行ないます。正しく確実に行なうと痛みや腫れを抑え治りが早くなります。
R(Rest、安静)
ケガをしたところをそっとして、決して無理に動かしてはいけません。
I(Ice、冷却)
痛みを軽くし内出血を防ぎ、炎症を抑えます。
C(Compression、圧迫)
出血と腫れを防ぎます。
E(Elevation、拳上)
ケガをしたところを心臓より高くしておくことにより、内出血を防ぎ、しかも痛みを軽減します。
@切り傷・すり傷(止血法)
止血の原則は、傷口を直接圧迫します。傷口が汚れていたらきれいな水で洗い流し消毒します。
そして、厚く折りたたんだ清潔な布でおおって強く押さえます。一度包帯をしてもまだ、血が止ま らない場合は、その上からさらにガーゼなどをあて、もう一度包帯をします。それでも止まらない ときは、傷口より心臓に近い動脈の止血点を手や指で圧迫します。止血のポイントは傷口を心臓よ り高くすることです。ガーゼがない場合は、右図のようにバンダナ一枚で十分その代わりになります。
A捻挫・骨折
捻挫や骨折等で手足が動かなくなったら、とりあえず副木で固定しましょう。副木には木の枝、ピッケルや新聞紙五〜六枚を丸めて筒状にしたものなどその場にあるものを利用します。しばるものは三角巾や包帯などがベターなのですが、ない場合はタオル、手ぬぐい、細いひもでも代用できます。
固定させるときは、骨折部分が徐々に腫れてくるのであまり強くしばらないように注意して下さい。捻挫の場合は固定したら十分に冷やすことが必要です。足は、30Cmほど高くして、安静を保ち、骨折の疑いのある場合は早目に病院で手当を受けて下さい。歩けないケガ人の場合は、タンカで運びます。タンカもフレームを組んだり衣服を利用することで図51のように簡単に作れます。
Bやけど
やけどをした場合は、冷やすことが基本です。バケツなどに水を入れて、水を流し放しにして、少なくても20分ぐらい冷やし続けることが大切です。服等を着ている場合、脱がさずにそのまま上から冷やします。その後無理せずにそっとはずし、そのまま清潔な布で覆って早目に病院で手当を受けて下さい。
C人口呼吸
人口呼吸をするときは、はじめる前にまず左右胸部に耳をあてて、心臓が動いているかどうかを確かめます。次に口の中にものが詰まってないかも確認します。そして気道の確保です。下あごを引っ張るか、頭を後ろにそらせ、マウス・トゥ・マウスを行ないます。このとき、一方の手を首の下に入れ、もう一方の手のひらを額にあてて、鼻をつまみます。深く息を吸って、息がもれないよ う相手の口を自分の口でおおい、1分間に12回程度の割合で胸が軽く膨らむまで吹き込みます。
その際は胸の動きに注意して人口呼吸が有効に行なわれているかどうか観察しながら行なって下さい。もし、心臓が止まっていたら心臓マッサージを同時に行ないます。
Q5:救急車を利用するときは、
119番が通じたら、誰にでもわかるような付近の目標物と所在地、名前をいい、どうしてケガをしたのか。どんな状態で発病したのか。また、現在の状態を簡単にいって、係員の質問に答えて下さい。アウトドアの場合は、特に現在地をつねに確認しておきましょう。救急車のサイレンが聞こえたら、早く現場にいくためにも案内人を出して誘導して下さい。
救急車が到着したら、救急隊員に次のことを連絡して下さい。
@ケガや疾病の概要を簡単に A救急隊が到着するまでに疾病者がどう変化したのか
B疾病者に対して行なった応急手当の内容はどんなことか
C持病があればその病名とか、かかりつけの病院の名前など
軽いケガや病気などでなく、あくまで、緊急なときに救急車を利用して下さい。
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