「森の学校」開催の趣意





                              <総 論>
今日、戦後の復興に始まる高度経済成長は、様々な矛盾や弊害が露呈し、21世紀をむかえ認識の転
換が求められています。地球規模にわたる環境の問題をはじめ、国内に留まらない多くの課題に直面し
ています。
 目を転じて、私たちの生活域「つくば」を見ると、世界レベルの試験研究機関が立地する筑波研究学園
地区をかかえ、周辺には筑波山に代表される豊かな生態をかかえる山麓の自然、そして、古代より人の
営みの場として慈しまれてきたすぐれた農村自然が広がっています。この一地方都市としてはゆいまれ
な地域の特性を持つつくばを、未来に引き継ぐ上で、子供達への様々な体験機会を設けることは、郷土
意識や応用力、協調力を育む上で不可欠のものと認識されます。国際社会の中での存在のアイデンテ
ィティの中に、この成長期原体験の充実度は欠かせないものがあるといわれています。
 これまで、プログラムしにくかった、あるいは、プログラム化の対象として手つかずであった農村環境に
目を向け、特に先の環境問題との関連から、農村自然を考えるとき、単に農産物の生産の場としてから
環境教育、福祉の対象としてその存在価値をとらえ、新たなキーワードから農村自然の保全、利活用を
高めてまいります。

                               <概 要>
 森の学校は筑波研究学園都市の郊外に広がる里の自然が息づく農村をフィールドに開催しています。
里の自然は人々の営みと共にある2次的な自然で、田や畑と共に里山も人々の生活に欠かせないもの
でした。いつしか、時代とともにその役目も終わり、変わって身近にある自然ゾーンとして役割が大事に
なってきました。
 今日様々な異常とも思える青少年の事件が相次いでいますが、社会全体のひずみがそこに現れてい
るとも見て取れます。学校、社会、家庭からなる教育の分担の中で、社会性を身につける格好のものに
キャンプを含む野外活動体験があります。集団での宿泊体験はそこに自律と、協調が育まれます。また、
様々な、農村自然や手仕事の体験は、活きた感動と物を作り上げる喜びを与えます。生きた生活力はい
つしか青少年を自立へと導いていくことでしょう。

森の学校沿革

・平成3年  ・里の自然を活用したキャンプ場「フォンテーヌの森」を開設し、そこをフィールドとして、年間行
         事(月1回開催)「ネイ チャーワールドジュニアカレッジ」を財団法人科学教育研究会 と共催
         でスタート。
・平成4年  ・夏休みを利用した「わんぱくキャンプ」を開催する。
・平成6年  ・この年以降「ネイチャーカレッジ」は科学教育研究会単独開催 となる。
・平成7年  ・わんぱくキャンプについて千葉東葛地域(柏、我孫子、野田、流山、松戸等)からの参加が増
         え、柏 集合分を加える。参加者が300人に達する。
・平成10年  ・夏のみの開催から「里の四季」を伝える目的で、春夏秋冬の開催とした。また、これを機会に
         「森の学校」と改名。
・平成12年  ・NPO法人化への検討をはじめる
・平成13年  ・10月(仮称)NPO法人「つくば田園文化センター」設立予定
         森の学校行事移管予定

組  織



マスターは行事を総理します。
ディレクターはスケジュールの円滑な運営のための指揮をとります。
アシスタントディレクターはディレクターを補佐し、スケジュールにもとずく諸備品、消耗品、食材等の準
  備をディレクターの指 示のもとにあたります
リーダーはスケジュールにそってキャンパーを誘導、補佐します。
  又、キャンパーの快適性につとめます。
インストラクターは専門プログラムをリードします。

アクシデントの対応

 キャンパーにアクシデントがあった場合リーダーはディレクターに報告する。ディレクターは応急が必要と
判断したものについてはそれにあたり、アシスタントはマスターへの報告、そして他のキャンパーの誘導に
あたる。マスターは必要に応じて専門に手配、その指示にもとずいて対応する。

健康管理

すべてのスタッフはキャンパーの健康管理に砕身の注意をはらう。(特に、衛生、気温、日射、体調)
<夏の編>
・調理用具は事前事後に煮沸もしくは滅菌スプレーする。
・食材はよく熱を通す。
・調理前、食事前に十分な手洗いをする。
・食器は食後によく洗い、乾燥させる。
・高気温、低気温とも衣服による調整を心がける。
・汗をかいたこどもには着替えを勧める。
・日射が強い場合は帽子を必ず着用させる。
・できるだけ日陰での休息を勧める。
・十分な水分をとる。
・体調の悪い子には休息を取らせる。体温を測る。